【岐阜・多治見】懐かしくてあたらしい、モザイクタイルの世界

つぎの旅先を決めるインスピレーションはさまざまだけれど、東海道新幹線に乗るといつも置いてある雑誌『ひととき』からヒントを得ることも。その雑誌で知って以降、ずっと行くタイミングを狙っていた街のひとつが岐阜県多治見市。このときは時間が限られていたので、モザイクタイルミュージアムへお邪魔してきました。
多治見駅からバスに乗って15分ほど。停留所を降りるとすぐに、ジブリ映画に出てきそうな外観の不思議な建物が。右下の方にちょこんとある、ドアから中へ入ります。

館内はこぢんまりとしているけれど、全国各地から集められたタイル製品や銭湯の壁面などの展示品の数々は、どこか懐かしさとぬくもりを感じるものばかり。眼福とはまさに、こういうことを言うんだろうな。

この地域は、1300年もの歴史を誇る美濃焼の産地。質の良い土が採掘されることから、大正時代に入ると、あらたな産業への取り組みとしてスタートしたのがタイル産業。

なかでも釉薬(ゆうやく)を施したモザイクタイルは、この町の主幹産業となっていて。製造開始当初から世界に向けてタイルの輸出も行っていたそうで、インドでは昭和初期に生産された日本のタイルが現在も街中で使用されているそう。

館内には現代のメーカーの製品を見ることができるだけではなく、商談までできちゃうスペースやクラフト体験コーナーも。

歴史を知る展示を楽しみながら、気に入ったものがあればそのまま購入できるのは、すごくユニークでいいなぁ。わたしは、自分へのお土産に美濃焼タイルのイヤリングとクラフトキットを購入。
ミュージアムですっかり、気持ちが高揚したあとはバスの時間まで併設されているカフェ「CAFÉ DE SOLEIL(カフェドソレイユ)」へ。ここがまた、すんばらしく可愛くて。

古いものを大切にしながら、いまの暮らしにフィットする新しい可能性を求めつづけていく。海外にも可愛くて素敵なものは星の数ほどあるけれど、日本にも同じくらいとびきり素敵なものがまだまだある。

海外旅行も好きだったけれど、いまは日本で生まれた可愛いものを宝さがしするのがとびきり楽しくてたまらない。そんなショートトリップでした。
 
▷多治見市モザイクタイルミュージアム
▷CAFÉ DE SOLEIL(カフェドソレイユ)

#コニタビ

旅するように暮らして、暮らすように旅するライター/編集者の備忘録。