好きな場所で働きたかった、もう一つの理由

今月は思いがけず移動が多くて、名古屋に行ったときのことを書こうと思っていた矢先、急きょ大阪へ。

入院していた祖母が亡くなり、お別れをしてきました。


気立てがよくてチャーミング、でもどこかミステリアスな一面を秘めていた祖母は、身内ながらすごく魅力的な女性。個性派女優のようなルックスも魅力的で、祖母が若いころの写真でTシャツを作ってしまったほど。


そんな祖母が亡くなる数日前、病院からの帰り道にふと、わたしが場所や時間に縛られない働き方をしたかった「もう一つの理由」を思い出して。

それが、こうして家族や大切な人たちに何かあったとき、仕事や距離がネックで後悔するようなことがないようにしたかったから


きっかけは、祖父が亡くなった大学生のころ。当時は自由に使える時間もお金も限られていたから、今ほど東京から頻繁にお見舞いに行くことは難しくて。

亡くなる直前に会うことはできたものの、「もっと会えたらよかったのに」と、どこか心残りがあって。


もちろん、すでに決まっていた仕事を急きょキャンセルをさせてもらい迷惑をかけてしまった面もあるし、お見舞いや手伝いをしながら、隙間を縫うように日々の仕事をすることは決して楽なことではなくって。


それに、孫ができることなんてちっぽけなことばかり。それでも、小さなころから可愛がってくれた祖母へ「ありがとう」が伝わったらいいなと思いながら、時間とお金が許す限り、顔だけでも見せるようにしてたの。

そんなこともあり今回は、こうして家族とともに最期の瞬間を看取ることができて、無意識のうちに持ち続けていた“心のしこり”がようやくときほぐれた気がする。


まったく寂しくないと言えばもちろん嘘になるけれど、“永遠のお別れ”でないことを知っているし、関西人らしく(?)終始コントのようなおもしろハプニングの連続で。

そのおかげで、しんみりし過ぎることなく、すっかり日常に戻っています。


おばあちゃんも、「向こうの世界」からおじいちゃんたちと笑っていてくれていたらいいな。
そんな7月の終わりとともに、わたしはまたつぎの街へ。

この夏は、なんだかいつも以上に彩り鮮やかになりそうな予感。

また更新します✈︎

#コニタビ

旅するように暮らして、暮らすように旅するライター/編集者の備忘録。